イギリスの長い冬の過ごし方。新しい趣味をはじめたら ——〈編み物〉

crochet かぎ針編みの画像

決して上手くはないけど、編み物は楽しい😊 無心で編んだ後ろのブランケットは大活躍中。



冬時間が始まり、いよいよ長い夜の季節になりました。

一日は変わらず二十四時間なのに、寒さと暗さのせいで、家で過ごす時間がぐっと増えます。

そんな冬の家時間に、数年前から編み物をするようになりました。

もともと興味はあったものの「忙しい」を言い訳に、これまで針を手に取ることがなかったのですが、ある日、編み物の師匠と出会ってから少しずつ変わりました。

糸の扱い方や目の数の数え方を教わりながら、いつのまにか少しずつ形になっていく。

気づけば、編み物の時間が冬の夜の楽しみになっていました。

人との出会いって、本当に不思議で大切です。

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📜 目次

イギリスの編み物文化
 📜 歴史と背景
 ☕️ コミュニティ活動
 💡 現代のブーム

かぎ針編み豆知識 (日本対イギリス)
 🐑 かぎ針編み用語対照表
 🐑 かぎ針サイズ対照表
 
初心者さんにおすすめのYouTubeチャンネル
 ▼ 英語で始めたい方におすすめ – Bella Coco
 ▼ まずは日本語で基本を覚えたい方におすすめ – amuusejp(ハマナカ公式)

お店に行ってみよう!師匠厳選、ロンドンのおすすめ手芸用品店
 🛍️ MacCulloch & Wallis
 🛍️ Wild and Woolly London
 🛍️ Liberty London

🎁 おまけの話




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■ イギリスの編み物文化


📜 歴史と背景


イギリスの編み物文化は、14世紀頃にヨーロッパ大陸から伝わり、16世紀以降、産業や地域文化として発展してきました。

特に寒い地域では、防寒具としてのセーターや靴下の手編みが盛んになり、産業革命以降も、編み物は家庭での大切な手仕事として受け継がれてきました。

そして、家庭で作るセーターや靴下は単なる実用品ではなく、家族への愛情表現でもありました。

——現代の流行ではありますが、「家族を暖かく見守る」というその温かい思いは、あの “へんてこなセーター” (Christmas jumper)にも、形を変えて受け継がれているのかもしれません。

クリスマスジャンパーの画像

我が家にあったクリスマスジャンパー。見慣れると可愛い♡




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☕️ コミュニティ活動


編み物は一人で行うことも多いですが、カフェや図書館、教会での集まりもあります。

あちらこちらにある「knitting circle」と呼ばれるコミュニティは、世代を超えて交流する場になっています。

私もカフェで編み物をしていると、『私も、嫁が、娘が…』などと声をかけられることがあります。

編み物をする人は、やはり同じ趣味の人に声をかけずにはいられないようです。

温かい飲み物と温かい人たちのおかげで、心までほっと温まる時間です。

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💡 現代のブーム


SNSやYouTubeの広がりとともに、若い世代にも「編む楽しみ」が浸透してきました。

「slow fashion」の流れの中で、手作りや手仕事の価値も見直されています。

さらに、手編みの帽子や靴下を病院や難民支援に寄付する文化も、イギリスには根付いています。

例えば、Oxfamでは、編まれたセーターやブランケットをチャリティショップで販売し、その収益を貧困支援に充てています。

そうした“編むことの温かい循環”が、今もイギリスのあちこちで息づいています。

▼Oxfamの編み物寄付について(詳細はこちら)
https://www.oxfam.org.uk/donate/more-ways-to-donate/knitting-for-oxfam/




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かぎ針編み豆知識 (日本対イギリス)

もちろん、日本とイギリスでは針の号数や編み図の書き方も違ってきます。

🐑 かぎ針編み用語対照表

日本語日本式編み図記号UKUK略語説明
くさり編みくさり編み chainの記号chainch基本の鎖編み。作り目などに使用。
細編み細編み double crochetの記号double crochetdc一番基本の密な編み目。
中長編み中長編み half trebleの記号図half treblehtr細編みより高さがあり、長編みより少し短い。
長編み長編み trebleの編み図記号trebletr高さのある編み目。
長々編み長々編み double trebleの編み図記号double trebledtrさらに高さのある編み目。
引き抜き編み引き抜き編み slip stitchの編み図記号slip stitchsl st次の目に針を入れて引き抜く。



🐑 かぎ針サイズ対照表

日本UK
3/02.3 mm
4/02.50 mm
5/03.0 mm
6/03.50 mm
7/04 mm
8/05 mm




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初心者さんにおすすめのYouTubeチャンネル


英語で始めたい方におすすめ

Bella Coco
イギリス在住のサラさんによる、やさしく丁寧な編み方チュートリアルが魅力です。
ゆっくりとした英語と手元の映像がわかりやすく、初心者さんにも安心。
また、素材の販売も行っており、動画と同じ毛糸で編めるのも嬉しいポイント。
🔗 YouTube @bellacococrochet

まずは日本語で基本を覚えたい方におすすめ

amuusejp(ハマナカ公式)
かぎ針の持ち方から始められる丁寧なチュートリアルで、基礎をしっかり学べます。
まず日本語で基本を理解してから、イギリスのパターンに挑戦するのもGoodです。
🔗 YouTube @amuusejp




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お店に行ってみよう!師匠厳選、ロンドンのおすすめ手芸用品店

ロンドンには素敵な手芸店が数多くありますが、今回は特に編み物の「師匠」に連れて行ってもらった、厳選のお店をご紹介します。

師匠のお墨付きの品揃えと、お店を訪れること自体が新しい趣味のきっかけになるような、入るだけでワクワクする魅力あふれる場所ばかりです。


MacCulloch & Wallisの外観の写真


🛍️ MacCulloch & Wallis
25-26 Poland St, London W1F 8QN
https://www.macculloch-wallis.co.uk/
創業1902年の老舗で、ロンドンのファッション業界やウェスト・エンドの舞台芸術(シアターランド)を長年支えてきた存在です。単なる手芸店ではなく、プロも通う服飾資材のデパートのようなお店です。毛糸はもちろん、布地やボタン、リボンなどあらゆる手芸用品が揃っており、見ているだけでも創作意欲が湧いてきます。お店の方も親切で、わからないことがあれば丁寧に教えてくれます。


Wild and Woolly Londonの画像


🛍️ Wild and Woolly London
116a Lower Clapton Road, London E5 0QR
https://www.wildandwoollyshop.co.uk/
ハックニーにある、オーナーの愛が詰まった毛糸の専門ブティックです。シェットランドウールなど英国の伝統的な糸や、手染めのユニークな毛糸など、質の高い素材を厳選して扱っています。ロット数が少ない毛糸も多いので、気に入ったものがあれば即買いが鉄則です!まさに一期一会です。そして、このお店の魅力は、そのコミュニティ性。定期的にワークショップや編み物イベントが開催されており、編み物仲間と出会える温かい場所としても知られています。純粋に毛糸選びと交流を楽しみたい方に最適な一軒です。


Liberty Londonの店内画像


🛍️ Liberty London
Regent Street, Carnaby, London W1B 5AH
https://www.libertylondon.com/
チューダー様式の美しい建物自体が観光名所となっているデパートです。毛糸の品揃えは以前より少なくなってきていますが、それでも手芸フロアは必見です。美しいリバティプリントの布地や刺繍用品など、編み物とは別の手芸の創作意欲も刺激される場所です。目の保養を兼ねて立ち寄ってみてください。





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🎁 おまけの話


買い物をするときはエコバッグに入れるようにするのですが、毛糸を買うときはそのお店の袋に入れてもらうようにしています。

MacCulloch & WallisとWild and Woolly Londonのショッピングバッグの画像

どちらも素敵です♡MacCulloch & Wallisは編みかけ中の糸を入れておくのに便利で更に嬉しい!



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また、ほとんどのお店に編み物の本が売られています。

ここでたくさんの作家さんの作品に出会えます。

もちろん日本の作家さんの本を見つけることもできます。

毛糸屋さんに売られている編み図の本の画像

糸を見るだけ、生地を見るだけ、本を見るだけ。
見るだけなのに時間が足りない!




いかがでしたか?

長い冬は、家で過ごす時間が増える分、新しい趣味を始めるのに最高の季節かもしれません。

今回ご紹介できなかったロンドンの毛糸屋さんや、その他の素敵な手芸店もまだまだたくさんあります。

ぜひ、お気に入りの毛糸や道具を見つけたりして、あなただけの冬の楽しみ方を見つけてください。

そして、趣味を通じた温かい人との繋がりを、この冬、イギリスで見つけてみませんか。



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監修:師匠

掲載日:2025年11月13日

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